コラム

「読み上げソフト」って、なに?

視覚に障害のあるかたがウェブサイトを閲覧する時、「スクリーンリーダー」と呼ばれる読み上げソフトを使うことがあります。
読み上げソフトにも色々なものがありますが、その中でもシェアの高い「ホームページリーダー3.02」の癖を知って、ちょっと優しいウェブサイトを作ってみませんか。

実際に使って体感してみないと分からないことってたくさんありますよね。
「ホームページリーダーって、ウェブに書いてあることをそのまま読み上げてくれるんでしょ?」と思っていたら、さにあらん。
ちょっとだけ、注意が必要だったんです。
でも、ほんのちょっとだけ。
例えば…

(1)単語の中にスペースを入れると、1つの単語として認識してくれない。
(2)普段何気なく使っている日付や時間表記だと、こんな読みかたに。

具体的に例を挙げますね。
例えば、以下のようなお知らせがあるとします。
見た目を整えるため、「日時」や「場所」にスペースを加え、「参加者」と文字数を揃えてみました。

日 時:2006/10/31 15:30〜
場 所:日の出公園
参加費:400円

しかし、これをホームページリーダーで読み上げると、単語の間にスペースが入っていることにより、「日時」を「ひ、とき」、「場所」は「ば、ところ」と読み上げます。
そして、日付にスラッシュ(/)を使っていることで、ホームページリーダーはこれを分数と解釈し、「10分の2006、31」 と読み、時刻に使っている記号(:)は読み飛ばし、「15、30」と読み上げます。
同じ記号でも「〜」は「から」と読み上げますので、この記号は気軽に使えそうです。
ワープロ文書と同じ感覚でウェブサイトのレイアウトを整えてしまうと、読み上げソフトを使って情報を耳に入れている人には、ちょっと不可解な文章に聞こえてしまうんですね。
以上の注意点を踏まえて、上記のお知らせをアクセシブルな文章に修正してみましょう。

日時 :2006年10月31日 15時30分〜
場所 :日の出公園
参加費:400円

たったこれだけのことで、読み上げソフトを使われている人にとって、とても理解しやすい文章になりました。
アクセシビリティなウェブサイトは、特別な勉強をして、特別な技術を使わないと作れないことばかりではありません。
ちょっとした気遣いで、個人のブログなどもアクセシビリティなサイトになり得るのです。
皆さんも是非、トライしてみてください。

(文責:片平)

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