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ユーザビリティテスト(1)…総括

2006年12月、いわゆる情報弱者と言われる方々にWebサイトの使い勝手を検証していただく「ユーザービリティテスト」を実施しました。

実施風景の写真ですいろいろな企業や団体の多くがWebサイトを開いていますから、何かを知りたい、問い合わせたい、買い物したい…そんな時インターネットってとっても便利ですよね。
特に、身体障害や高齢で外出がままならないかたや目が不自由なかたにとって、自宅で自由に情報を検索したり、発信したり出来るWebサイトは重要なツールです。

しかし、残念ながらその方達がスムーズに使えるだろうと思われるWebサイトはまだそんなに多くはありません。
手が自由に使えないかたにとってのページスクロールは面倒だし、高齢や弱視で小さい文字が読みづらいかたにとっては文字サイズが変わらないのは情報がきちんと受け取れない。
全盲の方達が使われている読み上げソフト、それに対応した処理を施しておかないとわかりづらい読み上げ方をします。

2004年6月にWebのアクセシビリティに関するJIS規格(X8341-3)が公示されました。
が、世の中にはいろいろなサイトがあって、その中身も千差万別。
Webのアクセシビリティも、サイトの持つ性格にあわせてJIS規格プラスαが必要です。
当NPOのサイトや依頼をいただいて作成したサイトは、そのJIS規格プラス独自のガイドラインを作成して構築しました。
ですが、あくまでもJIS規格と今までの経験則で作ったガイドラインです。
やはり、実際の使い勝手を(Webの作成者や関係者の目の前で)当事者に使ってもらって検証しなければ本当の声は拾えないのではないでしょうか。

そこで、全盲のかた、弱視のかた、四肢障害のかた、などに協力をお願いして、2006年の12月にある特定のWebサイトを検証していただくユーザービリティテストを実施しました。
なお、このテストの実施にあたっては、企業ボランティアとして(株)ハウコム宮崎事業所のみなさんにお手伝いいただきました。
テストにあたっての企画(いつ、どこで、どんな質問を、準備するものは?など最初の大変な)段階から入っていただき、実際のテストのスタッフとしてもお手伝いいただきました。
とてもとても頼りになる優秀なみなさんばかりでした。この場を借りて深くお礼申し上げます。

さて、テストには
・全盲のかた…4名
・弱視のかた…3名
・四肢障害のかた…2名(補助器具使用)
に協力していただきました。

検証先のサイトはもともとアクセシビリティに配慮して作成していますので、大きな問題は出なかったのですが、読み上げソフトが数種類あることから標準としてとらえている読み上げソフト以外ではいくつかの障害が出ました。

サイト読み上げソフトの代表格はIBMの「ホームページリーダー」でしょうか。
読み上げソフトに配慮しました、と言ったときはだいたいこのソフトを指していると思います。
(我々も、作成したものは全てこのソフトで読み上げてチェックをしています。)

今回は皆さんが普段使われているPCとソフトを使っての検証だったのですが、まさかソフトがあんなにばらばらだとは思いませんでした。
PC-TALKER XPあり、XPリーダーあり、ホームページリーダーあり、しかもOSもばらばら。

余談ですが、PC-TALKERやXPリーダーはPCに表示されているものほぼ全てを読み上げてくれる、パソコンがおしゃべりになるソフトです。
まず、PCの電源を入れると最初に表示されるデスクトップの画面を読み上げます。
それから何かのソフトを起動したら、そのソフトのメニューなどを読み上げます。
エクセル、ワード、インターネットエクスプローラー、などなど画面に表示されているものも読み上げてくれるソフトなんです。
ただ、こういったソフトなのでWebの読み上げに特化していませんし、それぞれのソフト独自の特徴もあります。
ですから、Webサイトの読み上げにあたっては、出来ること出来ないことがそれぞれ違っています。そう言うことで、それぞれが100%になるように対応することはまず無理なんですね。
いわば、あちらを立てればこちらが立たず状態です。
それでも少しでも満足度を上げたいですから、テストはそれぞれの環境とソフトで行なっていただきました。

ユーザービリティテスト(2)…実施風景
ユーザービリティテスト(3)…改良点(抜粋)

(文責:山口)

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